梵鐘は楽器?世界の音楽楽器の話

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2019.08.05

楽器博物館行ってきましたので楽器の話を⑪

こんにちは!名古屋のウクレレ、ボーカル、ギター教室「ポワンポワンスタジオ」です。

今日のテーマは「楽器博物館行ってきましたので楽器の話を⑪」

今回の楽器は「梵鐘」です。

「梵鐘」と言ってもあまり馴染みがないかと思います。「釣り鐘」と言うとわかりやすいかと思います。
・・・ん??楽器なの??という声も聞こえそうですが確かに我々の知っている「釣り鐘」は音楽内で使われるわけではありません。木魚などだとお経と一緒に叩かれるので若干楽器っぽいですが、楽器という認識を持てないのも無理はありません。

梵鐘は年末になると現世、今世、未来の3世の中での36種類の煩悩、すなわち36×3=108個の煩悩の数だけ鳴らされるあれです。サンスクリット語で「神聖・清浄」を表しています。平家物語でも「祇園精舎の鐘の声・・・」と「鐘」の文字が出てきます。ちなみに「祇園精舎」はコーサラ国の長者の人が建立した建物でここでの「鐘」はガラスか水晶の鐘らしいので今回の梵鐘とは違うようですが従然草の中で吉田兼好が「凡そ鐘の声は黄鐘調なるべし・・・」と音色まで指摘していることから梵鐘自体はその時代には一般的に知られている楽器だったのだと思われます。(黄鐘調は雅楽に用いられる音階の一つ)

中国で紀元前16世紀~前5世紀に鐃とか鉦とよぶ楽器があり、合戦や祭事での合図に利用されていたものが朝鮮半島より日本にもたらされたそうです。なのでもともとは今の使い方とは随分違っていたのかも知れません。

そんな梵鐘も音楽的に演奏されることはほぼありません。例外としては1940年にリヒャルト・シュトラウスというドイツの作曲家がナチスから頼まれ日本のために「日本の皇紀二千六百年に寄せる祝典曲」という曲を書いた際に梵鐘を12個使ったことくらいだそうです。その曲がこちら

なるほど~

そんな梵鐘も戦時中は鉄の不足のためお国のために相当な数がお寺から持ち出されたりもします。年に1度は聞くあの音、今度聞いたらこの話も思い出してください。

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